総会での理事の解職~特別利害関係のある理事

役員の選任・解任

Q. 総会で理事を解職する場合、対象となる理事に議決権はありますか。

A. 議決権はあると考えるべきでしょう。

<解説>

 理事と管理組合とは、委任契約あるいは委任契約類似の法律関係にあると考えられています。ですから、理事は受任者として、管理組合に対して善管注意義務や誠実義務を負います。そのため、理事が理事会で議決権を行使する場合、自己の利益のために行使することは許されず、これらの義務に基づき、管理組合の利益のために行使することが求められます。

 このことから、理事会においては、議案との関係で特別な利害関係を有する理事は、議決権を行使することは認められないものと解されます。

 一方、設問にあるような総会での議決権行使は、理事としての議決権行使ではなく、あくまでも区分所有者としての議決権行使です。区分所有者は管理組合の構成員であり、理事としての立場とは異なり、区分所有者と管理組合とは委任契約あるいはこれと類似する法律関係にあるわけではありません。  
そのため、区分所有者として自らの意思で自らの利益のために議決権を行使することに制約を課すことはできないものと解されます。

 従って、総会で理事を解職する場合、当該解任議案との関係において当該理事は特別な利害関係を有することになりますが、あくまでも議決権の行使は区分所有者としての権利行使ですので、議決権行使を制限することはできないと考えるべきでしょう。