Q. 区分所有法第34条第3項に基づいて、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有する者が、臨時総会の招集を求めましたが、一定期間内に理事長が臨時総会の招集通知を発送しませんでした。そのため、招集を求めた組合員の代表者が臨時総会を招集したのですが、この臨時総会の議長は誰がすることになるのでしょうか。
A. 原則として、管理規約の定めによることとなりますが、管理規約で「理事長が議長を務める」と定められている場合でも、議長不信任の動議を可決すれば、臨時総会の出席組合員の決議により新たに議長を選任することが可能であると思われます。
<解説>
議長は会議において、その秩序を保持し、議事を整理し、事務を監督する権限を有し、議事進行方法については広い裁量権があると考えられています。
そのため、合理的で公平な議事進行がなされているか、十分な意見陳述がなされた上で採決に至っているかなど、誰が議長をするかによって、議事の進行に大きな影響があるといえるでしょう。
標準管理規約(単棟型)第42条第5項は、「総会の議長は、理事長が務める。」と規定されていますが、少数組合員からの臨時総会招集請求にも応じなかった理事長が議長を務めることになれば、合理的で公平な議事進行を期待することは難しいと考えられます。
そこで、このような場合、標準管理規約(単棟型)第44条第3項においては、例外的に、議長を、「総会に出席した組合員(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する。」と規定されています。
あなたのマンションの管理規約に標準管理規約(単棟型)第44条第3項のような規定があれば、総会に出席した組合員の議決権の過半数で議長を決定することが可能となります。
では、標準管理規約(単棟型)第44条第3項のような規定がない場合は、どうなるのでしょう?
このような規定がなければ、原則として標準管理規約(単棟型)第42条第5項により、理事長が議長を務めることになると思われます。
しかし、合理的な裁量権を逸脱し、あるいは公平な議事進行が期待できない状況であれば、会議の一般原則に従い、出席者から手続的動議(議事進行上の動議)として、議長不信任の動議を提出して、その採決をはかり、不信任動議が可決されれば、改めて多数決によって議長を選任することが可能であると考えられます。
もっとも、議長不信任動議の提出により、混乱は避けられない状況となるでしょうから、このような混乱を避けるためにも、標準管理規約(単棟型)第44条第3項のような規定をあらかじめ設けておくことが重要です。

