任期途中の理事の退任

役員の選任・解任

Q.  私どもの管理組合の規約では、選任された際に区分所有者であった役員は、区分所有者でなくなったときは、その地位を喪失し、退任となる旨規定されています。このたび、理事の一人が専有部分を売却して区分所有者ではなくなりました。そのため、新たに理事を選任する必要がありますが、理事会で選任することは可能でしょうか。

A. 管理規約に理事会の決議で選任できる旨の定めがあれば、できると考えられます。

そのような定めがない場合には、臨時総会を開いて、総会決議で選任することとなります。
 ただ、退任の都度、臨時総会を開くのは煩雑であることから、任期途中の役員の退任に備えて、あらかじめ総会で補欠役員候補者を定めておくような方法もあります。

<解説>

 標準管理規約(単棟型)第35条第2項は、役員は総会において選任すると規定しています。一般的な管理規約は同じように規定しているものと思われます。
 ですから、役員の中に任期途中で退任する者がいれば、その時点で速やかに臨時総会を開催して、新たな役員を選任することが原則となります。

 ところが、緊急時等には迅速に新たな役員を選任する必要もありますので、管理規約において、役員が任期途中で退任した場合には、新たな役員を理事会の決議により選任できる旨の規定を設けておくことも可能であると考えられます。
 ただし、このような規定を設けた場合、理事会の完全な裁量で、新たな役員を選任することとなり、現理事にとって都合のよい人選が行われてしまうという弊害が生じる恐れもあります。
 そこで、このような弊害を避けるため、総会において、任期途中の退任者が現れることを想定して、補欠役員候補者を選任しておくことも有用でしょう。また、総会で補欠役員候補者を複数名選任しておき、その中から理事会決議で選任できるように定めることも考えられます。

 ちなみに、監事の任期途中の退任の場合、理事会で新たな監事を選任してよいかという点については、理事の場合よりも一層、注意が必要です。
 例えば、監事が任期途中で退任した場合に、理事会の味方をしてくれそうな者を理事会の決議で選任できるとすればどうでしょうか?監事は、理事会と独立してその業務執行等を監督する地位にあるわけですから、その選任を理事会の決議に委ねるのは行き過ぎであるように思われます。